2026年3月、政府は入管法(出入国管理及び難民認定法)の改正案を閣議決定しました。
今回の改正案では
✔ 在留手続きの手数料の大幅引き上げ
✔ 日本版ESTAと呼ばれる電子渡航認証制度「JESTA」の導入
などが盛り込まれています。外国人の方だけでなく、外国人を雇用する企業にも影響がある可能性があります。
この記事では、改正内容をわかりやすく解説します。
在留資格の手数料が大幅引き上げへ
現在、在留資格に関する主な手続きの手数料は、いずれも上限1万円となっています。
しかし今回の改正案では、法律上の上限が次のように引き上げられます。
| 手続き | 現在 | 改正案(上限) |
|---|---|---|
| 在留資格変更 | 1万円 | 10万円 |
| 在留期間更新 | 1万円 | 10万円 |
| 永住許可 | 1万円 | 30万円 |
これは、在留手続きの手数料上限が約30倍に引き上げられる可能性があることを意味します。なお、この上限は1981年以来ほとんど変更されていませんでした。
①ただし「永住30万円」が確定したわけではない
ニュースでは「永住申請が30万円になる」という見出しが多く見られますが、現時点で30万円に決定したわけではありません。
今回の改正案で変更されるのは、**手数料の「上限額」**です。
つまり、法律上
- 在留資格変更・更新 → 上限10万円
- 永住許可 → 上限30万円
まで設定できるようにする、という内容です。今後「政令」で具体的な金額が定められる予定です。
②実際の手数料はいくらになる?いつから値上げ?
報道などでは、次のような金額が検討されているとも言われています。
<検討案>
- 在留資格変更・更新
→ 約1万円~7万円程度 - 永住許可
→ 約10万円~20万円程度
これらは正式決定ではなく、あくまで検討段階の情報です。
値上げの時期はまだ未定です。ただし、法案が成立した場合、2026年度以降に新しい手数料体系が導入される可能性があると報道されています。
③なぜ手数料が引き上げられるのか
今回、手数料の見直しが検討されている背景には、日本に在留する外国人の増加があります。近年、日本では人手不足への対応などを背景に、外国人労働者や留学生、技能実習生などの受け入れが拡大しています。
その結果、日本に在留する外国人の数は年々増加しており、過去最多を更新する状況となっています。
出入国在留管理庁の公表によると、2025年末時点で日本に在留する外国人は約413万人となり、過去最高を記録しました。
外国人が増えると、入管行政の審査業務や管理コストも大きく増加しています。
そのため政府は、入管審査体制の強化、手続きのデジタル化、システム整備などを進める必要があるとしており、これらの費用をまかなうために手数料の見直しが検討されています。
また、今回の改正では、日本版ESTAともいわれる電子渡航認証制度「JESTA」の導入など、入国管理のデジタル化も進められる予定です。
今後は、外国人の受け入れを進める一方で、在留管理をより厳格に行う体制づくりが進められていくと考えられます。
JESTA(電子渡航認証制度)の導入
今回の入管法改正では、もう一つ大きな制度の導入が予定されています。
前項でも触れましたが、それが JESTA(ジェスタ) です。
①JESTA(ジェスタ)とは?
JESTAとは、簡単にいうと「日本版ESTA」といわれる制度です。アメリカに渡航する際、事前にオンラインで申請するESTAという制度がありますが、それと同様の仕組みを日本でも導入する計画です。
JESTAは、ビザ免除国から短期滞在で日本を訪れる外国人を対象に、渡航前にオンラインで審査を行う制度です。
②JESTAはいつから導入される?
JESTAは2028年度中の導入を予定しています。
対象の外国人が空港に到着した際はウォークスルー型ゲートにより待ち時間が短縮される見込みです。
報道では、JESTAの申請には2,000円~3,000円程度の手数料が検討されているともいわれています。
この手数料は、システム運営費や入国管理体制の強化などに充てられる可能性があります。
まとめ
今回の入管法改正案では、在留資格の変更や更新などについて、手数料の上限額が引き上げられる予定となっています。永住許可についても、手数料の上限が30万円まで設定できるようになりますが、実際の金額や適用開始時期については、今後政令などで具体的に決定される見込みです。
また、電子渡航認証制度「JESTA」の導入も予定されており、今後は入国管理のデジタル化や在留管理の強化が進んでいくと考えられます。制度の内容は今後の国会審議などを経て決まっていくため、引き続き最新の情報に注意していくことが重要です。
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